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Vol.15「歴史的文化遺産である二ヶ領用水から人と自然が共存する水辺環境を考える」


二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム

第1回インタビュー記事 Vol.15「歴史的文化遺産である二ヶ領用水から人と自然が共存する水辺環境を考える」
第2回インタビュー記事 Vol.31「二ヶ領用水を基軸として人が集う活気あるフォーラムに」



二ヶ領用水01.jpg■農業用水から環境用水へ
多摩川の2つの取水堰からの流れが久地で合流し、円筒分水を経て溝口、等々力緑地の脇を抜け平間の浄水場辺りまで伸びる、多摩川の取水堰から約全長約20数キロの本流が、二ヶ領用水と呼ばれる用水路である。江戸初期に農業用水として建設され、2011年で竣工400年を迎える。明治からは生活用水として川崎周辺地域の暮らしを支え、昭和戦前から戦後にかけては臨海部への工業用水としての役割を果たし、川崎市民にとって暮らしと発展になくてはならない存在だった。

それが昭和の高度成長時代を経て用水路の様相は一変する。生活排水、工業廃液が流れ、流域住民に疎んじられる存在に。そこで、用水の歴史的価値を見直そうと、いくつかの市民団体が立ち上がり、昭和後期から平成にかけて行政と手を組み再生に向けた取り組みが始まった。農業用水として生まれた二ヶ領用水は、街の自然環境維持または生活に潤いを与えるための水という意味の「環境用水」としての再生の道を歩き始めた。


二ヶ領用水02.jpg■学びから自らが背中を見せる活動へ
当会の代表阪口さんがこの用水に関わったのはこの頃だった。仕事を離れ地域のために、と周りを見渡すとあちこちに整備された用水路があることに気がつく。調べてみたらそれが二ヶ領用水だった。興味を持った阪口さんは、二ヶ領用水を学ぶ市民講座に参加し、2002年その時の仲間で立ち上げたのが、二ヶ領用水・ウォッチングフォーラムだ。
「初期は歴史を学ぶところから始めたが、歩いてみると水は汚れポイ捨てが多い現実が見えてきた。背中を見せて美化活動しようじゃないかというのが始まり」と阪口さん。月2回の定例清掃日を設け、今年で6年目に入る。用水路は数区にまたがるが、ゴミを処理する関係で高津区に限定し活動している。ゴミ拾いはマジックハンドを使用し、空き缶、びん以外にも色々なものがたくさん拾える。それでも始めた当初よりかなり少なくなったという。「きれいになれば不思議とポイ捨ても減る。最初は怪訝そうに見ていた地域住民もここ数年は感謝やねぎらいの言葉をかけてくれるようになった。それがどんなに嬉しいことか」と笑う。定期清掃を一緒にしてくれる人が現れたのがなお一層のやりがいを感じる。今は高津区限定だが、水が流れているところをきれいするためならどこにでも行ける組織にしたいと語る。


二ヶ領用水03.jpg■水を浄化し人と地域に愛される環境用水に
ほかにも、歴史的建造物である二ヶ領用水にもっと親しんでもらいたいと、ガイド役や講師を務めたり、親子企画などのイベントを主催したり、他団体と連携で共催したりと精力的に活動している。企業へのアプローチも積極的だ。溝口で用水路脇に社屋を構える環境関連企業に呼びかけ2009年法人会員になってもらった。その企業は地域の社会貢献に力を入れていて、定期清掃への参加、イベントの共催、円筒分水の模型作りと活動に協力的だそうだ。

また清掃活動だけでなく水自体をきれいにしたいと、竹炭による水質浄化実験を2005年から進めていて円筒分水川崎堀の出口に竹炭120kgを毎年敷設している。これは区の道路公園センターの支援を受け、竹炭は高津区市民健康の森を育てる会に協力を得ている、いわば協働事業だ。
浄化活動と同時に水質調査も開始した。6〜7か所から検体を採取し、パックテストといわれる簡易検査キットを使ってのCOD測定を毎月実施。年一回結果をまとめ、イベントやホームページで公開をしている。検査開始当初の2005 年から2007 年までは、多少高い値だったが、2008 年から低い値を示す時もみられるようになってきて最近は低めで安定しているとのことだ。

歴史的建造物であり環境用水の役割を背負った二ヶ領用水だが、市民が憩える場とはまだまだ言い難い、と阪口さん。現在川崎市で二ヶ領用水の総合基本計画の改定が予定されており、市民団体として市民の声を反映させたいと検討中だ。市民の知恵を集め、提言をしていきたいと考えている。当団体が主体となって他団体へ呼びかけ連携し、あるいは企業も巻き込んだ形で進めていければ、と阪口さんの二ヶ領用水に寄せる想いは尽きない。


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