かわさきコンパクト・フォーラム2014 イベントレポート

(2014年3月20日)

 今年度のかわさきコンパクト・フォーラムは基調講演「かわさきコンパクトを取り巻く世界の流れ」を中心に、先進的な取組を実践する企業・団体の事例発表・意見交換を目指し、第4庁舎ホールにて開催した。
 冒頭、かわさきコンパクト委員会・庄司委員長から、かわさきコンパクトが「何かをしてくれる場」から「一緒に何かをしていく場」へ、との挨拶でフォーラムがスタートした。


「かわさきコンパクトを取り巻く世界の流れ」
川崎市国際環境施策参与 末吉 竹二郎 氏

sIMG_1764.jpg かわさきコンパクトが生まれる元となった、国連グローバル・コンパクト10の原則は、毎年1月に開催されている世界経済会議、通称ダボス会議で、当時の事務局長コフィ・アナンから議論が生まれた。世界の企業のトップが集まり、世界が向き合うべき問題について議論する場で、コフィ・アナンは「グローバリゼーションの利益を受けているのは企業だ。その利益の裏側で何が起きているかわかっているのか。企業のトップこそ、負の遺産、裏側で起きていること――自然・エコロジーの破壊、社会・人間環境の破壊に気づいてほしい。」という趣旨のメッセージを発し、「コンパクト」=契約上の義務ではないゆるやかな約束、を企業と政府・NGOが結ぶというこれまでにない形の取り組みが生まれた。
 国連グローバル・コンパクトには世界中で7903社、4094団体が参加しており、日本からは181企業・団体が参加、GCジャパンネットワークを形成している。企業以外の参加としては日本サッカー協会や同志社大学があるが、自治体としては川崎市のみが参加しており、自治体の取り組みとしては画期的なことといえる。


■不可逆な気候変動

 デンマークで最終報告となる、IPCC第5次評価報告書では「温暖化に人間が関わっているのか」が引き続き大きなテーマとなっている。1990年の報告では「我々の知見は『十分でない』」となっていたものが、95年には「示唆される」、2001年「可能性が高い(66%以上)」、07年「可能性が非常に高い」と推移してきており、2013年の報告では「extremely likely 極めて高い(95%)」と表現されている。報告書では、2100年には最大で4.8度の気温上昇の可能性があると指摘されており、これは札幌と仙台市の平均気温差に相当するものだ。2080年には、これまで冬季オリンピックを開催した19都市のうち、13都市は冬季オリンピックが開催できないことになる。
 気候変動に関して、「既定性」と「不可逆性」について知っておく必要がある。CO2が大気中で勝手に消えることはないため、このCO2が50年後・100年後の天気を決める――これが「既定性」だ。また、人為的な気候変動の大部分は数百年〜1000年の時間スケールでは「不可逆」である。この「既定性」「不可逆性」が示すことは、今日の我々の行動が将来を決める、我々の次の世代の行動を決めるということだ。

 CO2排出による気温上昇を2度以内に抑えるには、排出量を440億トンに抑えなければならない。しかし、2010年現在の世界の排出量は500億トン、2020年の各国の自主目標の合計は520〜560億トンだ。この100億トンの差が、2013年11月の国連環境計画「ギャップレポート」にて、「ギガトン・ギャップ」(100億トンの差)として報告されている。CO2排出量については、2015年開催のCOP21にて、2020年以降の枠組みを決定することとなる。
 気候変動を始め、人間の経済活動は動植物にも大きな影響を与えており、絶滅危惧種(レッドリスト)では、約7万種のうち、2万種が消えると言われている。この絶滅の速度は7分に1種というペースだ。


■グローバル企業に広がる解決への動き

 ユニリーバ社のポールマンCEOは「これまでは企業が社会や環境を搾取してきた。これからは、企業は社会や環境に貢献していくべきだ。」と語り、持続可能な生活プラン――10億人以上の人々の衛生状態を改善する、温室ガス・廃棄物・使用を半減する、持続可能な農作物100%を実現する、を進めた。この意味するところは、持続可能でない農作物をつくっても、ユニリーバは買わないということ、生産者から見ると売る先がなくなる、ということだ。
 同様の動きはマクドナルドの「フィレオフィッシュ」でも認証が取れた魚のみ採用することや、これまで珍重されていた「フカヒレ」を使ったスープも北京政府の公式晩餐会で出されないようになったことなど広まりが見られ、ビジネスの中にエコロジーを守るということを入れること、それを評価する消費者から莫大な支持を受けるのが世界の潮流となっている。
 ウォルマート社を例に取ると市場規模で40兆円であり、この金額はカナダ1国の貿易量を上回る数字だ。従業員220万人、サプライヤー10万社以上を抱える企業が、サステナビリティ・持続可能性といった自然を守るルールをビジネスに持ち込むことで、ビジネスを通じて自然を守る動きが始まっている。

 エネルギー改革も同様に進んでいる。REN21の発表する自然エネルギーへの新規投資は、2012年までの累計で144兆円に達した。自然エネルギーが発電容量では1年前にすでに原子力発電を上回っており、中国・インド・ドイツでは発電量でもすでに自然エネルギーが上回っている。ドイツでは「エナジーヴェンデ(エネルギー大転換)」と呼ばれる現象となっており、2012年にすでに消費エネルギーの1/4は小水力を含む自然エネルギーが占め、さらに2050年には80%を自然エネルギーに置き換える計画だ。
 自動車分野ではエコカーでなければ売れない時代に来ている。特に日本では国産車の燃費性能は突出しており、販売のトップ10は、ハイブリッドカーと軽自動車で占めるようになった。また、イギリス・ロンドンではタクシーのEV(電気自動車)化が進み、2018年からはEVでなければタクシーの新規登録を認められなくなる。


■世界の動き・日本の動き

 いま、国際的な財務報告も、自然を考慮し、持続性を評価する流れが生まれている。先般12月9日に最終ドラフトが承認された「国際統合報告書」では、「6つの資本」として、財務・生産設備・知財・人材・自然・社会が組み込まれ、将来の戦略を重要視するようになっている。また、「SASB(サスビー)」と呼ばれる、「FASB(ファスビー)」=財務会計基準審議会の基準に加えて、持続可能性に基づく会計原則も12/9に最終ドラフトが承認された状況だ。日本でも、経済財政諮問会議が「責任ある機関投資家」の行動を拡大すべきと声明を出し、日本版スチュワードシップコード(責任ある機関投資家の諸原則)やSRIなどを進めている。こうした世界の動きの中で、川崎市がグローバル・コンパクトの理念を活かした取り組み、かわさきコンパクトの取り組みを進めていくことはますます求められている。


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事例発表:イオン株式会社
イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部長 金丸 治子 氏

sIMG_1775.jpg  イオングループは今、スーパーマーケットを中心に多用な業態を取っており、店舗数は16,000、毎日400万人のお客様と接点を持っている事業所の総合体だ。事業内容は大きく12に分かれ、総合スーパー事業・食品スーパーマーケットから、施設管理や保安警備まで事業を行っている。

■グローバル・コンパクト参加をサプライヤーとの関係が支える

 地球温暖化防止の取り組みとして、CO2削減方針を立て、達成している。様々な取り組み――エコストア・店舗の防災訓練といったものから、コミュニティづくりへつながる「スマートイオン」を目指し、日々実践している。
 イオングループとしては、2004年にグローバル・コンパクトへの参加を表明している。グローバル・コンパクトへの参加に先立って、国際基準SA8000に則り、取引先行動規範などを進めた。SA8000は、労働環境の改善を目的とした国際基準であり、自社だけでなくサプライヤーにも労働環境の規範が求められるものだ。イオングループでは、取引先・サプライヤーに対する「イオンサプライヤーCoC」を定めており、要求事項は13項目に渡る。取引開始時は第三者による監査を実施、320項目のチェック項目に対し、是正するところまで求める内容だ。以降、問題なく取引を開始したサプライヤーに対しては、イオンが指定した監査者による、二者監査を実施し、それでも90にわたる重点項目に対し監査している。取引先・サプライヤーとの間でPDCAサイクルを回して改善を着実に実施しすることによって、パートナーシップを熟成させ、社会説明責任を果たす。


■サプライヤーとの積み重ねが環境問題・ISO26000に生きる

 末吉参与からも話のあった環境面における直近の課題から、サプライヤーチェーンにおける労働問題・人権問題だけでなく、自然資源の保全・有効利用という観点でもこれまでの取り組みを活かし、昨年は魚介類の緊急課題に対し調達方針を出すなど対応した。ISO26000の取り組みと共に、今年2月末にイオンとして持続可能な調達原則の方針を出し、違法性の排除はもちろんのこと、イオンとしての基準を加えている。再生不可能な資源については極力使わないこと、トレーサビリティの確保を通じた森林破壊の防止などを、例えば、カカオに関して、アジア初の「フェアトレード調達プログラム」へ参加するなど、多様な商品分野に対して具体的に決めて進めている。

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事例発表:NPO法人ACE
特定非営利活動法人ACE 代表 岩附 由香 氏

sIMG_1780.jpg  ACEは「児童労働に反対するグローバルマーチ」を日本でも実施することをきっかけに設立した団体だ。大学院生だった当時に児童労働問題について一番詳しかったのはNGOだったため、NGOにボランティアとして関わる中で、「児童労働に反対するグローバルマーチ」の書類の翻訳がきっかけとなり、日本で手を挙げる人が出ないのであれば自分たちでせっかくのきっかけを活かしたい、と立ち上げることにした。

■サディス・クマルくんの「夢」

 インドで出会ったサディス・クマルくんに「夢」を聞いたところ「僕はなるものになる、来るものを拒まずだよ。」と語っていた。6日間の労働に対し5日分の給料しかもらえない、ミスをするとタバコの火を押し付けられるなどの体罰を受ける、同じ場所で働いていた子どもの親がそういった状況に文句を言いに来ると口止めでいなくなりきっと殺されているに違いない――そういった過酷な児童労働の現場でもてる「夢」はなく、児童労働が自分の将来のことを考えられないようにさせるのだ。
サッカーボールが有名だが、日本で身近なものが児童労働によって作られている。世界の児童労働者の数は、1億6800万人、世界の子どものうち、児童労働に「9人に1人」が従事している。世界の人口のうち、3人に1人が子どもであり、選挙権がない、意見・言いたいことが言えない、発信できてないのが世界の現状だ。

■児童労働の「現地」と「日本」を動かす

 児童労働は「いま」の問題だけではなく、貧困の負のサイクルを生むため「将来」の問題でもある。ACEでは2つの大きなアクションを取っており、「現地」と「日本」両方を動かすことが大切だと考えている。
 「現地を動かす」取り組みとしては、狭義の児童労働――15歳未満の児童を違法に労働に就かせること、16歳〜18歳の児童を危険な労働に就かせることを防ぐため、最も遅れていて、児童労働全体の60%を占めている農業に関して、インドとガーナで子どもたちを取り巻く環境の支援をしている。モノをあげるのではなく、寄り添って相談に乗ることから、「この地域では子どもが働くことがないのが当たり前」という環境づくりを、かわさきコンパクトのように地域の中で展開している。
 「日本を動かす」取り組みのひとつとして企業との協働を進めている。例えば、ガーナはチョコレートの原料カカオに関して、コートジボワールに次ぐ世界第2位の生産地で、家族から離れて働く人も多い。このカカオを「買う側」が児童労働がないことを条件にしてくれたら――という思いに、「世界の子どもたちに貢献できる企業に」と取り組んでいた森永製菓の方針が一致し、エースが支援している地域のカカオをつかったチョコレートが実現した。ACEで現地にそのチョコレートを持っていき、実際に生産者の人たちに食べてもらうこともした。おそらく、自分たちが作ったカカオでつくったチョコレートをガーナの生産者が食べたのは初めてのケースだと思う。
 アインシュタインの言葉に「頭の良い人は問題を解決する、賢明な人は、その問題がおきないようにする。」というものがある。世界の児童労働については、アメリカの資料が一番詳しく好評されており、どういった製品に児童労働がありそうかがわかるようになっている。自分が児童労働に加担していないか、確認に使えるので、是非見てもらいたい。

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事例発表:モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合
モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合 理事長 伊藤 博 氏

sIMG_1787.jpg  私たちの商店街「モトスミ・ブレーメン通り商店街」は、26年前にまちづくりのコンセプトとして、中世ヨーロッパのイメージを意識した時にブレーメン名前が挙がった。ブレーメン市に依頼をし、ブレーメンの商店街=パッサージュと友好関係を結んで今の名前がついた。

■「1店1エコ運動」とモトスミ・ブレーメン通り商店街の強み

 かわさきコンパクトに関わるきっかけとなったのは「1店1エコ運動」だ。庄司委員長とも長年一緒に協働しているこの活動は、商店街の各店が何かひとつ、自分たちが取り組むエコ運動をグリーンのプレートに書いて表明する取り組みだ。この商店街としての環境への取り組みに小学校に協力してもらい、小学生が各店を訪問し、実際に取り組まれているか、お店のお客さんに伝わっているかをチェックしている。商店街のお店にも活動の中で環境への意識も高まってきており、彼女たちグリーンコンシューマーグループとの協働のおかげで、環境大臣からも表彰を受けることができた。
 いま、商店街は厳しい状況にある。ものが揃わないから買わない、買ってもらえないとものが揃わない、店も撤退していく、という衰退のサイクルを、全国で商店街が経験している。
では、なぜそんなに商店街が元気じゃなくなったのか――私はイオンさんなどスーパーのせいということではなく、地域のニーズに沿った仕事ができていないのではないかと考えている。地域から必要とされないお店がずっと続けてしまう、また、ニーズがないから魅力も感じられず、親の職業を継いでくれない――と、あの店・この店となくなっていっているのではないか。


■商店街ができる継続的な地域貢献

 私たちの商店街が大変ながらも元気でやっていけるのは、ほかにはできない取り組みをしていることが理由だと思う。かわさきコンパクトにも商店街としては私たちだけが名を連ねていることもそれを表している。
 商店街としてのほかの取り組みに「マイバッグ持参運動」がある。マイバッグへの取り組みは各所で行われているが、これまでのポリ袋などの包装にかかっていた費用を募金箱に入れたらどうか、と考えて実施している。
 レジ袋の削減で地球温暖化に少しでも役立つことはもちろん、1回につき5円を民間の社会的な取り組みに、それも一過性でなく年間を通じて継続的に支援したいと考え、かながわ子ども未来ファンドへ寄付している。マイバッグの持参運動を、地域への貢献につなげたい。

 いま私たちの商店街には青年たちが27名参加し、商店街活動にも積極的に来てくれている。防犯ガーディアンなどに取り組む彼らを支えながら、新しい取り組みを取り入れて商店街を発展させていきたい。

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――パネルディスカッションでは、コーディネーターに基調講演をいただいた末吉参与を迎え、事例発表者の御三方を迎えてのスタートとなった。

sIMG_1801.jpg 末吉コーディネーター:
 少なくとも10年前は誰も予想しなかった、社会の強い変化を感じる事例発表だった。 パネリストの皆さんが日々感じていることを、改めて一言もらいたい。

モトスミ・伊藤氏:
 売るだけの商店街だけではなく、情報発信を工夫すること、また、地域とどうつながっていくかが、これからの「商店街の力」であり、必要になってくると考えている。我々商店街が続けていくには何が大事かというときの「さしすせそ」は、「お金」「事務局」「先見性」「まちづくり」「組織づくり」だと考えている。

ACE・岩附氏:
 NPOやNGOも一緒だと思う。はじめて2005年にスタッフを置いた時から、ACEも財政的にも伸びた。集中して、毎日やるということがいかに成果がでるかを実感したのもこの時期からだ。「さしすせそ」をモトスミ・ブレーメン通り商店街を紹介しながら私たちも伝えていきたい。
 子育て中の消費者という視点で話すと、これまで商品は商店街で目の前で作っている人がいて売っていた。グローバル化する中で、目の前で売っている人が作ったわけではない、では誰がどうやって作っているか…。グローバル化と共に、気候変動も徐々に起きてきた、子どもたちが働いているのがおかしい、と消費者が気づき、モノを買うときの変化が生まれている。
 「安い商品がいい」から「この安い商品は本当に大丈夫か」へ。児童労働の話題では、高くても児童労働がないのがいい、という変化が生まれている。
 先日、マクドナルドの前でカナダの男の子が、ハッピーセットのおもちゃが児童労働につくられていることを知って不買運動をしたことがニュースになった。今では、社会問題への対応が企業のブランド価値に大きな影響を与える時代になってきた。その点において日本では、消費者よりも企業のほうが「やらなきゃ」という意思の強さを感じる。

イオン・金丸氏:
 企業の立場から言えば、情報開示の量とスピードが増えた、伝わりやすくなった。お客様からフェアトレード商品を紹介されることも出てくるなど、ステークホルダーの意見を企業としては受け止めていかなければいけないし、要望が出やすい環境づくりが進んでいる。
 流通の進歩で、今は世界中どこにいっても何らかの商品が手に入る状況なので、イオンという企業としては、お客様の意見を大切にしていくことが、より大事と考えている。

末吉コーディネーター:
 いまや社会の成功物語が失敗物語に変わり始めている。ある時期非常に成功した方法に、いつしか問題が発生し、その問題が顕在化しはじめた。いま発生した問題だけではなく、中には自分たちが気づいていない問題点もある――そうした社会の問題をどうやって解決していったらいいのか、それを知らず知らずのうちに消費者も考え始めている。

イオン・金丸氏:
 一企業・一行政に頼ればいいという時代は終わったと思う。企業も行政も解決に向けて同じ方向につながっていくのが大事ではないか。例えば、商品の情報開示についても、多くのところを巻き込んで進める、川崎市であれば、川崎市民と一緒に進める。
 イオンとしても、地元の商店街とも共存・共栄をしていく道を考えたいと考えており、すでに一部地域では成功している取り組みもある。

末吉コーディネーター:
 企業は大きいことがいいことだと言われてきた反面、その大きさへの責任が伴うと思うが、イオンとしてはどのように受け止めているか。

イオン・金丸氏:
 私たちがリーダーシップを発揮しなければいけないと考えて、今日紹介したような様々な取り組みをしている。
 環境が当たり前の経営、環境問題への取り組みと経営がまだイコールでない部分もあるが、イコールとなることを目指していくが必要だと強く考えている。

ACE・岩附氏:
 行政にとってのお客様は誰かと考えた時、それは川崎市民で、川崎市は子どもがたいへん多い街なので、子どもの意見を取り入れた町にしてほしい。今10歳の子は10年後20歳、と川崎市の立派な市民になる。子どもたちの住みやすいまちが未来につながるのではないか。
 先日の東日本大震災の支援でも、どうしても子どものことがどんどん後回しになってしまっている現状があり、この先どうなるかと切実な問題となってしまっている。日常から、子どもにとって暮らしやすい、子育てしやすい街を目指し、それを企業として応援する、というのが望ましいと思う。
 川崎市は子どもの権利条約の条例を持っている、数少ない自治体だ。川崎の特徴を活かして進めてもらえればうれしいと思う。


末吉コーディネーター:
 モトスミ・ブレーメン通り商店街は、普通の商店街では解決ができない課題に取り組んでいると思う。

モトスミ・伊藤氏:
 そんな大それた話ではないと思う。イオンさんの地域に対しての貢献として、久里浜の商店街とのタイアップを聞いており、地元からの提案を取り入れようとしていることは素晴らしい。
 一方、私たちは大型店の出来ないことをやっていかなければいけない。高齢者施設では、元気な時には自分で買い物が出来、今はモノを買うという喜びが施設にはいったために味わうことができなくなっている高齢者の方々がいる。私たちは、出張商店街と称して、周辺の施設へ商店街の会員が伺って訪問して販売するという取り組みをしており、大変喜ばれる。現実的には販売する時間は準備時間に対して短く、利益に結びつかないから大型店には出来ないが、休みの日を利用して、ほそぼそと各店舗の売上になればいい。
 高齢者施設の皆さんのお顔を見ると、大変やってよかったと思うし、こういった取り組みも商店街のひとつの強みではないか。
 私たちとしては川崎市国際交流センターの課長を招いてシンポジウムを実施したりと、今後も環境を学びながら、よい動きを取り入れていきたい。これからの商店街には先を読む力が大事なのではないか。

末吉コーディネーター:
 スウェーデンは第二次大戦後にいとも簡単に近代化を成し遂げ、すごいスピードで豊かになった。その影で、小さい喫茶店・ビアホール・美容院・ダンスホールが消えていった。1960年台にスウェーデンで起きたこの話を「スウェーデン人が信じたものはお金が一番大事だ」という詩として、スウェーデンの小学校の教科書に掲載されている。これからは小さいもの・地域ローカルなものがいいとされるので、「Small is beautiful.」の考えで、商店街にももっと元気になっていただきたい。

末吉コーディネーター:
 地球の上では天気も空気もつながっている中で、バタフライ効果と呼ばれるすごく不確実な状況の中に私たちは生きている。
 世界が目指していることが何か、どういう将来が私たちが築きたいのか、それを確認するが国連グローバル・コンパクトであり、かわさきコンパクトだ。
 世界が不確実な中で、ちょっとしたつながり――お隣さん、近所とかで、火事があったら助けるのはつながりがあるからこそ。火事はわかりやすいが、気候変動も同じように、みんなが少しずつおせっかいになるのが大事ではないか。電車の中でちょっと注意するなど、ちょっとしたおせっかいが積み重なって、大きな問題を解決する。そのおせっかいが目指していることが何かの確認に、両コンパクトがあるのではないか。

モトスミ・伊藤氏:
 かわさきコンパクトを知っている市民がどれだけいるかを考えると、あらゆることに対して問題意識を持つことがかわさきコンパクトにつながるのではないか。商店街もいろんな問題を抱えており、日々無関心でいるのではなく、目を向けている。

イオン・金丸氏:
 イオンとしては、自らを律した上で相手にも求めていくことのツールとして、SA8000を捉えている。
 SA8000は国内2社しか取得していないが、この規定をサプライヤーに求めていく以上、自身はどうなのかが大事であり、説明責任を果たす上でも必要だ。
 私たちもさらに他の社員に伝えていかなければいけないし、それができなければお客様にも伝えられない。周知しつつ、取り組みを進めていく。

末吉コーディネーター:
 地球は厳しい状況にあるが、意思(Will)を持って動き始めている人たちが今日来ているお三方を始め大勢いる。一方、自分たちで意思をもっていかないかぎり、誰かが作る新しいルールが、ビジネスにしても、行政にしても押し付けられるのが今の社会だ。
 自分の判断、自分の意思を持って生きていくことがいっそう大事であり、その確認としてかわさきコンパクトの存在に期待したい。



 最後に末吉参与から、19世紀に活躍したドイツ・シーメンスの創業者の言葉「シーメンスの覚悟」の紹介があった。今日の利益のために未来を売ることはしない。短期利益のために自分の会社の将来を売ることはしない。短期利益にはしること、それはその企業・我々の将来を台無しにしかねない。地球の将来も今日の利益のために売ることをしてはならない、という締めくくりで、本フォーラムは終了した。

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