第2回かわさきコンパクトセミナー報告(2011年9月6日)

 今なお甚大な被害を残す、3.11の東日本大震災。今回のかわさきコンパクトセミナーは、先の大震災を受け、少なからず被害を受けている川崎市でも、これからの地域の安心づくりに向けて、企業ができること、市民団体ができることを、川崎市危機管理アドバイザーの大貫氏を招いてお話を伺いました。

災害史上に見る、3.11
sIMG_3062.jpg 日本の歴史を紐解き、1000年のスケールで見るとこれまでもこの国には何回も大地震・津波が来ている。例えば、今回と同じく三陸沖を震源とする貞観の大地震の際は、前後5年の間に富士山・鳥海山が噴火し、また前年には播磨の大地震も起きている。

川崎市を中心に見ても、今年は関東大震災から88年、明治維新の直前に起こった安政の大地震からは150年ほどが経っており、こうした過去の地震の間隔から考えると十分な年数が経っていることがわかる。今日にでも、東海地震や、関東で地震が起きても不思議はないことがわかる。

予測に頼るのではなく、事実を認識する
 地震予測は仮説であり、現在研究が進められているがまだ確実な予測はできない。また、中央防災会議が予測している被災状況も、時間帯・風速などを決め打ちとしたシミュレーショなので、実際の被害の正確な予測など誰にもできない状況だ。

我々が考えるべきは、過去に起きたことは今日起きてなんら不思議はないということ、そして、過去何が起きたのかを把握・検証することではないか、と大貫氏は語る。
例えば、川崎市の一部--当時の川崎町では、300名余りの方がなくなっている。過去起きたことに対する対策は打たれており、現在の川崎であれば当時起きたことはもう起きないのか、といったことに目を向けるべきだ。

大貫氏は、今の川崎で関東大震災規模の災害が発生した場合、輪をかけて大きな被害が起きるのではないかと提起している。もっとまばらに、のどかに住んでいた、人口も少ない昔の川崎で起きていた被害から、電車が走り、密集して住む大都市と化した川崎に直下型地震が起きたらどうなるか。関東大震災はM7.9、今回東北で起きたのはM9とされている。今回の震災に比べれば、何十分の一の地震で、川崎区で300人の人が犠牲になった、という事実にもう少し深刻に考えるべきではないか。80年前をもう過去のこと・克服したことと考えるのではなく、備えが不十分ではないかを戒める教訓としたい。

もう1つの事実として、安政の東海大地震の2年後には、江戸で高潮の被害で15万戸流されている。今回の震災後、仙台でも地盤が1m沈下している地区があることを考えると、当時地盤沈下の影響もあったのではないかと考えられる。浦安の液状化がすごく注目されているが、江戸時代に今の10分の1くらいの東京でこれだけの被害が起きている事実に目を向けるべきだ。

日本人の民族性と危機管理の原点
sIMG_3067.jpg 日本人は非常にウェットな民族で、見たくないものをカットする、そうすることこそが思いやりである、という文化がある。原発も安全だと言い続けなければ受け入れられなかったし、結果アメリカで行われているような近隣住宅への緊急用ヨードの配布も行われてない。

理想論を議論することなく、まずは出来ることを整えていくことが大切だ。例えば、石巻では生徒を校庭に集めてから30分間たってしまい流されてしまった件は、津波警報が出たら高台に一刻も速く逃げるのを徹底する。「逃げてください」と防災無線でアナウンスした人が流されてしまった話もあった。これは美談として語られがちだが、防災本部の場所が流されているという、本来あってはならないこと。役所を移転するのは現実として出来ないかもしれないが、15mの高台へ対応できる防災設備を整えるくらいは十分考えられる。

例えば、新幹線は阪神淡路・中越の地震を受けて安全が増しており、今回は地震が来る前に相当にスピードを落とし脱線車両はなかった。宮城県内の震度7地域を含めて、全車両が安全に止まったことに対しては、日本の技術に対して評価を高めている。

最後に大貫氏は、我々が大地震や大津波・噴火を予測し、コントロールできると考えているとしたら、それは驕りであり、自分の、家族の命をそういった予測だけに委ねるべきではない、と語る。「1000年に1度ならしょうがない」「想定外」という言葉に甘えるのではなく、過去の犠牲者の声に耳を傾けること、過去に起きた震災の声なき声に、どれだけ我々が真剣に向き合えるか、それが危機管理の原点だといえる。「救える命を救う」「地震・災害と共に生きていく」という知恵を、ひとりひとりのレベル、そして企業・行政・地域でどう備え、対処していくかが問われている。

かわさきコンパクトに参加してみませんか!
詳しくは参加要項をクリックしてください。

新着情報 一覧にもどる

かわさきコンパクト冊子
かわさきコンパクト冊子表紙
※画像をクリックすると表示します

かわさきコンパクト
川崎市のホームページ
カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略
川崎市地球温暖化防止活動推進センター
川崎国際環境技術展
平和・人権・交流(川崎市)
子どもの権利施策(川崎市)
働く市民と事業主の皆さんへ(川崎市労働情報)
国連GC

リーフレット・申請書類等(PDFファイル)をご覧頂くためには「Adobe Reader」が必要です。下記のリンクから無償でダウンロード出来ます。

Adobe Reader